フリーランスエンジニアの働き方3選|常駐・在宅・サービス開発の違いと選び方を解説

フリーランス

「フリーランスエンジニアって、実際どんな働き方なの?」


そう疑問に思ったことはありませんか?


会社に縛られず、好きな場所で働けて、年収も上がる──


そんな理想的なイメージがある一方で、実態はかなり多様です。


実は、フリーランスエンジニアの働き方には大きく分けて3つのタイプがあります。


「常駐型」「在宅型」「サービス開発型」──
それぞれにメリット・デメリットがあり、向いている人も違います。


この記事では、フリーランスエンジニアの働き方を初めてでもわかるように整理し、あなたに合ったスタイルを選ぶためのヒントをわかりやすく解説します。


どの働き方が最適なのか、読み進めながら見つけてみてください。

フリーランスエンジニアとは?

フリーランスエンジニアとは、企業に雇用されず、個人として契約しながら開発業務を行うエンジニアのことです。


正社員のような雇用契約ではなく、業務委託契約(請負・準委任)を交わし、プロジェクト単位や稼働時間に応じて報酬を得ます。


働き方や収入、裁量の大きさなどは会社員と大きく異なります。以下の表でざっくり比較してみましょう。

項目フリーランスエンジニア会社員エンジニア
契約形態業務委託(個人事業主)雇用契約(正社員・契約社員など)
働き方常駐/在宅/自作サービスなど多様フルタイム・固定勤務場所が一般的
報酬月単価契約・成果物ベースなど自由度高月給制・賞与あり
社会保障国民健康保険・国民年金社会保険・厚生年金
収入の安定性案件次第。自分で営業や管理が必要安定性が高いが上限も見えやすい

フリーランスエンジニアの契約形態とは?

案件はほとんどが「準委任契約」で、週●日×月●万円のような形で稼働日数ベースの報酬を得るのが一般的です。


一部、成果物に対して対価が支払われる「請負契約」もありますが、納品責任が重いため初心者向きではありません。


また、個人事業主として活動するため、税務処理(確定申告・経費計上)も自分で行う必要があります。

フリーランスと個人開発者・副業との違い

混同されがちですが、以下のような違いがあります。

  • フリーランスエンジニア:本業として個人で案件受注し、収入の大部分を得ている人
  • 副業エンジニア:会社員など本業があり、副業で開発業務を行う人
  • 個人開発者:案件ではなく自作サービスなどで収益化を目指す人(多くは不安定)

常駐型フリーランスエンジニアの特徴

フリーランスと聞くと「在宅」や「自由な働き方」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、
実は現在も主流なのは「常駐型」の働き方です。


常駐型とは、クライアント企業のオフィスに出向き、週5日・定時勤務で開発業務を行うスタイルです。


見た目は会社員とほぼ同じですが、あくまで業務委託契約であり、雇用関係はありません。

主な特徴と条件

常駐型フリーランスエンジニアは、見た目こそ会社員に近い働き方ですが、契約や責任の在り方はまったく異なります。


契約はあくまで業務委託であり、仕事の成果ではなく「稼働時間」に対して報酬が支払われるケースがほとんどです。


以下に、よくある条件や特徴をまとめました。

項目内容
契約形態準委任契約(稼働時間に対して報酬が発生。月単価制が主流)
勤務スタイルクライアント企業に出社して週5日稼働。ハイブリッド勤務も一部あり
必要なスキル実務経験2〜3年以上が目安。未経験者向けの案件はほぼない
案件の探し方フリーランスエージェント経由(例:レバテック、Tech Stock、フリコン)

このように、常駐型は自由というよりも「業務委託という立場で会社員的に働く」形に近く、
収入の安定性や学べる環境を重視したい人にとっては、非常に合理的な選択肢といえます。

メリット

  • 高単価かつ安定性が高い
     月収の相場は60〜90万円。稼働日数が多いため、毎月安定した収入を得やすい。
  • 継続契約につながりやすい
     1案件で6ヶ月〜1年以上継続するケースもあり、営業コストが少なくて済む。
  • 現場で学べる
     社内メンバーとの開発を通じて、技術・業務知識の習得が早い。

デメリット

  • 時間と場所の自由度が低い
     出社義務や決まった稼働時間があるため、自由に働きたい人には不向き。
  • 雇用保障はない
     稼働停止=収入ゼロ。契約打ち切りのリスクは常にある。
  • 正社員と同じ仕事でも、労働者ではない
     交通費・残業代・有給・賞与などの保障は一切なし。トラブル時も労基では守られない。

常駐案件が向いている人

実務経験がある
 常駐案件では即戦力が求められるため、開発現場の経験が前提になります。

安定収入を優先したい
 月単価契約で毎月一定の収入が得られるため、生活基盤を整えたい人に向いています。

コミュニケーションが得意
 対面でのやり取りやチーム開発が中心なので、会話や連携が苦にならない人は相性◎。

規則的な生活リズムが合っている
 出社や定時勤務が基本となるため、時間に縛られるのがストレスでない人に適しています。

在宅型フリーランスエンジニアの特徴

リモートワークの浸透とともに、在宅型フリーランスの働き方は急速に広がっています。


自宅やコワーキングスペースなど、好きな場所で作業ができるため、時間と場所に縛られない柔軟な働き方が可能です。


とくにWeb系やスタートアップ企業を中心に、完全リモート案件も増加中。


子育て中の人や地方在住のエンジニアにとって、選択肢が広がる働き方となっています。

主な特徴と条件

在宅型案件は、クライアントとオンラインで連携しながら業務を進めていくスタイルです。


契約形態は「準委任契約」「請負契約」のどちらも存在しますが、中〜長期の準委任が中心となっています。

項目内容
契約形態準委任契約または請負契約(週2〜5日リモート稼働など)
勤務スタイル自宅・コワーキングスペース・カフェなど自由(通信環境は要確認)
必要なスキル実務経験2年以上+自走力・リモート慣れがあるとベスト
案件の探し方クラウドソーシング/エージェント/SNS/知人紹介など幅広いルートあり

メリット

  • 通勤が不要で、生活にゆとりが生まれる
     時間や場所を自由に選べることで、自己管理しやすく、プライベートと両立しやすい。
  • 地方・海外在住でも案件を獲得できる
     地理的制約が少ないため、都会に住まなくても高単価案件に関われる。
  • 副業・複業との相性がいい
     スケジュールの柔軟性を活かして、複数の案件を同時進行する人も多い。

デメリット

  • 自己管理能力が問われる
     時間の自由がある分、納期や品質に対して高い責任感が求められる。
  • コミュニケーションの難易度が上がる
     オンラインでのやり取りに慣れていないと、齟齬や遅延につながることも。
  • 孤独感や情報の取りこぼしが生まれやすい
     雑談や非言語コミュニケーションがないため、疎外感を感じるケースもある。

在宅案件が向いている人の特徴

  1. 自宅作業でも集中力が保てる
     誰の監視もない環境でも、自分でペースを作れる人は在宅に向いています。
  2. 自己管理が得意
     タスクやスケジュールを自分で組み立てて動ける人ほど、在宅ワークの自由を活かせます。
  3. 通勤時間をなくしたいと強く思っている
     通勤がストレスだった人にとって、在宅は時間とエネルギーの節約に直結します。
  4. オンラインのやり取りにストレスを感じない
     チャット・ビデオ会議中心のやり取りが問題なくこなせる人は、スムーズに働けます。
  5. 地方や海外など、都市部以外に住んでいる
     地理的に案件の選択肢が限られる人にとって、在宅案件はチャンスを広げる手段です。

サービス開発型フリーランスの特徴

サービス開発型フリーランスは、自分で作ったプロダクトを直接商品化して収益を得る働き方です。


クライアントからの依頼ではなく、自作のWebアプリやツール、テンプレート、SaaSなどを公開し、広告や課金モデルでマネタイズしていきます。


受託や常駐と違って、誰とも契約せず、自分の裁量ですべてを進められるのが大きな特徴です。

主な特徴と条件

サービス開発型フリーランスは、他の働き方とは違い、誰とも契約せず自分の商品で稼ぐスタイルです。


クライアントワークとは違い、営業も納期もクレーム対応も基本的に存在せず、収益が発生するまでのすべてを自分で作り上げていく必要があります。


また、収益化の方法も1つではありません。広告、サブスク、ライセンス、アプリ販売、テンプレ販売など、どんな商品をどんなモデルで展開するかを設計する力が求められます。

項目内容
契約形態なし(自ら開発・運営・販売する自己完結型)
収益モデル広告収入/有料販売/サブスク/課金/スポンサー/ライセンス販売 など
作業環境完全在宅・時間自由。チーム開発でなく一人で進めるケースが多い
必要スキル開発力に加えて、企画・マーケ・UI/UX・集客・収益化の知識も求められる

このように、サービス開発型は「技術者」ではなく個人クリエイターや事業主に近いポジションです。


そのぶん、難易度も高くなりますが、成功すれば一気に人生を変えるインパクトを持った働き方でもあります。

メリット

  • 収入に上限がなく、スケーラブル
     当たれば月100万円以上の収益も。作れば作るほど資産になる。
  • 完全に自由な働き方ができる
     納期も指示もなく、誰にも縛られない働き方が可能。
  • スキルの幅が広がる
     設計から運用、マーケティングまで、サービスづくりの全体像を体験できる。

デメリット

  • 収益化まで時間がかかる
     数ヶ月〜1年以上、収入ゼロが続く可能性も高い。
  • 孤独になりやすく、モチベーション維持が難しい
     フィードバックも評価もなく、淡々と作業し続けるメンタルが必要。
  • 技術だけでは結果が出ない
     作るだけでは売れず、「どう届けるか」の戦略力も求められる。

サービス開発型が向いている人の特徴

  1. 自分のアイデアで勝負したい人
     指示されたものではなく、「自分で考えたサービスを世に出したい」と思う人に最適です。
  2. 収入より自由・達成感を重視する人
     最初のうちは無収入でも、「作りたい気持ち」で動ける人ほど継続できます。
  3. マーケやデザインにも興味がある人
     コードだけでなく、「売れる見せ方」まで考えられる人は有利です。
  4. 一人でコツコツ取り組むのが苦にならない人
     孤独な作業に耐えられるかどうかは、大きな向き不向きの分かれ目です。
  5. 将来的に事業化や法人化を視野に入れている人
     収益が出たときに拡張性が大きいため、ビジネス志向の人にとってはチャンスが広がります。

【比較】どの働き方が自分に合っている?

常駐・在宅・サービス開発──
フリーランスエンジニアの働き方には複数の選択肢があり、それぞれに強みやリスクがあります。


大切なのは、「なんとなく」選ぶのではなく、自分のスキル・性格・目指す生活に合った働き方を選ぶこと。


ここでは3タイプの違いを整理し、どのスタイルが自分に合っているかを判断するためのヒントをまとめます。

働き方3タイプの比較表

比較項目常駐型在宅型サービス開発型
契約業務委託(準委任)業務委託(準委任/請負)契約なし(自己プロダクト)
場所出社中心/一部リモート完全リモートも多い自由(完全在宅)
時間の自由度低め(クライアントのスケジュール)中〜高(裁量多め)非常に高い
収入の安定性高め(毎月固定報酬)中程度(案件次第)低〜無(軌道に乗るまで無収入)
スキル要件実務経験2年以上実務+自走力+リモート耐性開発+マーケ+企画+収益設計力
向いている人安定志向/チーム開発が得意な人自由志向/自己管理ができる人挑戦志向/一人で完結できる人

まとめ

フリーランスエンジニアには、常駐・在宅・サービス開発という3つの主要な働き方があります。


どれが正解というわけではなく、それぞれにメリット・デメリットがあり、向いている人も異なります。


常駐型は収入の安定性と実務経験の積みやすさが強みで、独立初期に適しています。


在宅型は自由度が高く、ライフスタイルに合わせた働き方を実現できます。


そしてサービス開発型は、最も挑戦的で、成功すれば収入も影響力も大きく広がる可能性を秘めています。


自分に合った働き方を見つけることは、フリーランスとしてのキャリアを長く続けていくうえで欠かせません。


まずは現実的な選択から始めて、少しずつ理想の働き方に近づけていく――


その積み重ねが、あなたの自由で自立したキャリアをつくっていきます。