「ITエンジニアになりたいけど、何から始めればいいのか分からない」
「とりあえず勉強してるけど、このままでいいのか不安…」
未経験からIT業界を目指す人の多くが、このような不安を抱えています。
大切なのは、行き当たりばったりの学習や応募ではなく、目的から逆算したキャリアプランを立てること。
目指す姿を明確にすることで、今やるべきこと・次にやるべきことが見えてきます。
この記事では、ITエンジニアを目指す未経験者に向けて、【短期・中期・長期】の3ステップでキャリアを設計する方法をわかりやすく解説。
あわせて、スキル習得や実務経験の積み方、転職後の軌道修正の考え方まで、「転職活動の地図」になる実践的な内容をお届けします。
ステップ1|未経験から始めるキャリアプランの立て方

未経験からITエンジニアを目指すなら、最初にやるべきは「何から始めるか」ではなく「どこに向かうか」を明確にすること。
将来的にどんな働き方がしたいのか、どれくらいの年収を目指したいのかによって、必要なスキルや経験も変わってきます。
ここでは、短期(〜半年)・中期(半年〜3年)・長期(3年以上)の3段階に分けて、キャリアプランの立て方を具体的に解説します。
短期目標の立て方|転職準備〜最初の就職まで(0〜6ヶ月)
まずは“未経験者が転職市場に出られる状態”をつくることが目標。
この段階では、基礎スキルの習得とポートフォリオの準備が中心になります。
やるべきことの例
- HTML/CSS/JavaScriptなど、フロントエンドの基礎を学ぶ
- 自作のポートフォリオサイトを1〜2本作成する
- GitHubにコードをアップし、履歴を残しておく
- 転職サイトに登録し、未経験OKの求人をチェックする
最初から完璧なポートフォリオを目指す必要はありません。
実践した証拠を見せられるようにすることが、この段階でのゴールです。
中期目標の描き方|実務経験を積んでキャリアを安定させる(6ヶ月〜3年)
転職してITエンジニアとして働き始めたら、次は経験を積みながらレベルアップしていくフェーズです。
目指す状態と行動例
- SES企業での常駐案件や受託開発で実務経験を積む
- よく使われる技術(PHP、Java、React、SQLなど)を学び直す
- 自分の強みを明確にし、次の転職やキャリアアップに備える
特にSES(システムエンジニアリングサービス)を選んだ場合、プロジェクト内容は様々ですが、
「経験者」として評価される経歴を積めることが強みです。
次のステップに進むためには、どのスキルや業務経験を武器にするかを意識して行動すると、キャリアがブレにくくなります。
長期目標の設計|理想の働き方・年収・ポジションを見据える(3年〜)
ある程度の経験がついたら、「どんなエンジニアになりたいか」を考えるフェーズに入ります。
ここでは、働き方・スキル領域・年収の目標などを具体化していくのがポイントです。
目指す方向性の例
- 自社開発企業に転職して、上流工程に関わる
- フリーランスとして、案件を選びながら働く
- クラウド(AWS)やセキュリティなど、専門性を高めて年収アップ
- マネジメントやPMへのキャリアチェンジも視野に入れる
長期目標は、はじめのうちは“仮”でもOK。
経験を積む中で方向性が変わっても問題ありません。
常に「自分はこの先どうなりたいか?」を問い続けることが、ブレないキャリア設計につながります。
ステップ2|ITエンジニアに必要なスキルの習得と実務経験の積み方

「ITエンジニア」と一口に言っても、Web系・アプリ系・インフラ系・クラウド系など職種はさまざま。
でも未経験から始めるなら、まずは汎用性が高く、初心者向けのスキルからスタートするのが基本です。
未経験でも転職で評価されるスキルとは?
実務経験がない未経験者に対して企業が重視するのは、以下の2点です。
- ポートフォリオの中身:ちゃんと動くものを作れるか、何を使って作ったか
- 学習の継続力:GitHubの更新履歴や、日々の学習記録が見られるか
「とりあえずProgateを触りました」では弱いです。
“実践して形に残したか”が重要なので、動くアプリをGitHubにアップしたり、技術ブログで学びをアウトプットしたりすると評価につながります。
どの言語・ツールから学ぶべきか?
未経験者におすすめされることが多い言語・技術を目的別にまとめると、こんな感じです。
目的 | おすすめ技術 |
---|---|
Web系フロントエンド | HTML / CSS / JavaScript(+jQuery) |
Web系バックエンド | PHP / Ruby / Python / Node.js |
フルスタック狙い | React / Next.js / Express など |
インフラ・クラウド寄り | Linux / AWS / Docker / Git |
まずはHTML・CSS・JavaScriptで「見えるものを作る」経験を積むのが◎。
慣れてきたらバックエンドやクラウドに広げていく流れがベストです。
実務経験の積み方|SESと自社開発の違いを理解する
最初の転職先として候補に上がるのが「SES(客先常駐型)」と「自社開発企業」です。
それぞれの特徴とメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
項目 | SES | 自社開発 |
---|---|---|
特徴 | 派遣のように常駐先で働く | 社内で開発を完結させる |
メリット | 未経験OKが多い / 案件が豊富 | 技術力が身につきやすい / 開発の全体像が見える |
デメリット | 職場が頻繁に変わる / 技術レベルが不均一 | 採用ハードルが高め / 即戦力が求められることも |
未経験からならまずはSESで経験を積み、2〜3年後に自社開発へキャリアアップするというのが現実的でおすすめのルートです。
スキル習得と実務経験の両輪が回り始めると、「あ、この技術、前より理解できるな」と実感が増えてきます。
焦らず、着実に“深さ”と“幅”を伸ばしていきましょう。
ステップ3|キャリアの定期的な見直しと修正方法

キャリアプランは立てて終わりじゃありません。
実際に働き始めると、想像と違う部分も出てきますし、やりたいことが変わることもあります。
そんなとき大事なのは、「ズレてきたかも…」と気づいたら、ちゃんと立ち止まって方向修正することです。
目標を見失わない“振り返り術”
定期的な振り返りを習慣にすると、キャリアのブレを最小限に抑えられます。
たとえば、月1回だけでも以下のようなことを整理しておくと、自分の成長や方向性が見えやすくなります。
振り返り項目の例
- 今月できるようになったこと(技術・業務)
- 楽しかったこと/しんどかったこと
- 今やっていることが、どの目標につながっているか
- 不安に感じていること
具体的な振り返り方法
- NotionやEvernoteでテンプレートを作る
- 日記アプリや紙のノートに週1〜月1で書き出す
- ジャーナル(自問自答型のメモ)で「なぜ今この仕事をしているか」を可視化する
小さな気づきをメモに残しておくだけで、「なんとなくモヤモヤする」が減ります。
転職後のキャリア相談はどこに頼る?
未経験で転職して終わりではなく、その先で壁にぶつかったとき、ひとりで抱え込まないのがポイントです。
実務を経験する中で「このままでいいのか?」と感じたら、第三者の視点を借りるのが一番はやいです。
相談相手 | 特徴 |
---|---|
キャリアコーチング(有料) | 自分の強み・価値観からキャリアを整理してくれる。業界未経験でもOK。 |
IT業界特化型エージェント | 転職市場の動きや、スキルと求人のマッチ度を教えてくれる。現実的な視点が得られる。 |
例:レバテックキャリア/マイナビIT AGENT/Geekly など |
経験年数が浅いうちは「何が分からないのかが分からない」ことも多いので、外の視点で整理する時間を定期的に取ることが、遠回りに見えて一番の近道になることもあります。
まとめ
未経験からITエンジニアを目指すとき、最初にやるべきことは「何を学ぶか」ではなく、「どこを目指すか」を考えることです。
目的地がはっきりすれば、やるべきこと・学ぶ順番・選ぶ環境も自然と見えてきます。
この記事で紹介した「短期・中期・長期」の3ステップは、迷いを減らし、ぶれないキャリアの軸をつくるための土台です。
あわせて、スキルの習得や実務経験の積み方、キャリアの見直し方までを意識することで、「ただ働く」から「自分で選んで働く」エンジニアへと成長していけます。
大事なのは、完璧を目指すことではなく、少しずつでも“方向を意識して動くこと”。
焦らず、止まらず、自分なりのペースで一歩ずつ進んでいきましょう。