ITエンジニアに必須のコンピュータ&ネットワーク基礎知識|初心者でもわかる解説

学習方法

「ITエンジニアになりたいけど、コンピュータやネットワークの仕組みがまったく分からない…」
そんな不安を抱えていませんか?


未経験からエンジニアを目指す人にとって、最初にぶつかる壁のひとつが専門用語の多さと抽象的な仕組み。


とくに「コンピュータってどう動いてるの?」「IPアドレスって何?」といった基礎知識が抜けていると、プログラミングやインフラの学習に進んだときに、つまずきやすくなります。


この記事では、文系・初心者でも理解できるように、「コンピュータの基本構造」と「ネットワークの仕組み」についてわかりやすく解説。


ITエンジニアとしての土台をしっかり作りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ITエンジニアに求められる基礎知識とは?

ITエンジニアを目指すなら、プログラミングよりも先に「基礎的な仕組み」の理解が必要です。


とくに重要なのが、コンピュータの構造ネットワークの仕組み


この2つを理解しておくことで、エラーの原因が分かるようになったり、実務での吸収スピードが格段に上がったりします。


逆に、ここを飛ばすと「なんとなく動いたけど、なぜかは分からない」という不安定な理解で止まってしまいます。

コンピュータの仕組みを理解する

コンピュータの基本構造を理解することは、エンジニアとしての言語を学ぶ以前の前提です。


たとえば、プログラムはCPU(中央処理装置)で実行され、作業データはメモリ上で展開され、結果はストレージに保存されます。


それぞれの役割を簡単に整理すると以下のようになります:

  • CPU:命令を処理する“頭脳”
  • メモリ:一時的な作業スペース
  • ストレージ(HDDやSSD):長期保存の倉庫

また、これらを動かすOS(オペレーティングシステム)も重要です。


WindowsやmacOSだけでなく、エンジニアにはLinuxの基礎知識も求められることが多く、将来的にはコマンド操作などにも触れていくことになります。

ネットワークの基本を押さえる

今のITサービスは、ほぼすべてがネットワークを通じて動いています。


そのため、ネットワークの基礎を理解することも不可欠です。


たとえば、「IPアドレス」はネット上の住所のようなもので、通信する機器同士が互いを認識するために使われます。


その裏では、DNS(ドメインネームシステム)が働いて、わかりやすいURL(例:ww.example.com)を実際のIPに変換しています。


また、自宅のネットワーク(LAN)と、企業が利用する広域ネットワーク(WAN)の違いも知っておきたいところです。


クラウドとオンプレミスの違いも、ネットワークの仕組みを理解していると自然に見えてきます。

すべての職種に通じる共通言語になる

ITエンジニアと一口に言っても、開発系・インフラ系・セキュリティ系・クラウド系などさまざまな職種があります。


しかし、これらすべてに共通して「コンピュータ」と「ネットワーク」の基礎知識が必要です。


たとえばWebアプリの開発でも、「フロントエンド」「バックエンド」だけでなく、「そのアプリがどこに置かれ、どう通信しているのか」まで理解していると、設計やトラブル対応ができるようになります。

コンピュータの基礎知識|未経験でもわかるように解説

コンピュータは、情報を処理したり保存したりするための機械です。


内部ではいくつもの部品が役割を分担して動いています。


それぞれの役割を理解すると、「なぜ処理が遅いのか」「どこが原因で不具合が起きるのか」が見えるようになります。

CPU・メモリ・ストレージの役割とは?

ITの学習や実務でよく登場する3つのパーツがこちらです。

部品名役割例えで理解
CPU(中央処理装置)計算や命令処理を行う人間の「脳」
メモリ(RAM)一時的な作業スペース作業机
ストレージ(HDD/SSD)データの長期保存本棚・倉庫

たとえば、Excelで作業している場合、Excelのソフト自体はストレージから読み込まれ、操作中のデータはメモリ上で展開され、処理はCPUが行っています。


もしメモリが少ないと、机が狭い状態になるので処理がもたつきますし、CPUが遅ければ命令の実行スピードも落ちます。


このように、コンピュータの処理速度や安定性は、これらの部品がバランスよく働いているかどうかで決まります。

OSとは何か?Windows・macOS・Linuxの違い

OS(オペレーティングシステム)は、コンピュータ全体を管理するソフトウェアです。


ユーザーがソフトを使ったり、ファイルを保存したりできるのは、OSが機械の動きをコントロールしているからです。


よく使われるOSの例

  • Windows:日本では一番普及している。初心者向けの操作性。
  • macOS:Apple製品向け。デザインやクリエイターに人気。
  • Linux:エンジニア向け。コマンド操作が中心で自由度が高い。

未経験者のうちは、WindowsかmacOSでの学習でも問題ありませんが、Linuxの知識は転職後に必ずと言っていいほど求められます。


Webサーバや開発環境の多くがLinux上で動いているため、今のうちに少しずつ触れておくと後で楽になります。

アプリとソフトウェアの違い

「アプリ」と「ソフト」は基本的には同じ意味で使われることが多いですが、技術的にはこう分けられます。

  • ソフトウェア:OSやアプリなどすべてのプログラムを含む広い意味
  • アプリケーションソフトウェア(アプリ):ユーザーが使う目的で作られたもの(例:LINE、Excelなど)

つまり、OSやドライバなどもソフトウェアの一部ですが、日常的に使うのはアプリケーション。


エンジニアの仕事では「このソフトはアプリか、ミドルウェアか」といった分類の理解も重要になってきます。

ネットワークの基礎知識|現場で困らないために必要なこと

ITエンジニアとして働くなら、ネットワークの仕組みは避けて通れません。


アプリやWebサービスは、基本的に「誰かのPCやスマホ」と「サーバ」がネットワークでつながることで成り立っています。


ネットワークの基本を押さえておくことで、通信エラーの原因特定や、サーバ設定の理解がスムーズになります。


ここでは、未経験者が最低限おさえておくべきネットワークの基本要素を解説します。

IPアドレスとは?ネット上の“住所”の役割

IPアドレスとは、ネットワーク上の機器に割り振られた住所のようなものです。


Webサイトを見るとき、私たちは「www.google.com」のようなURLを使いますが、実際はその裏で「172.217.26.68」などのIPアドレスに変換されてアクセスしています。


この変換をしてくれているのがDNS(ドメインネームシステム)


DNSは「名前」と「住所」を対応させる電話帳のような存在です。


また、IPアドレスには2種類あります:

種類特徴
IPv4現在も主流(例:192.168.1.1)
IPv6新しい規格。より多くの端末に対応(例:2400:4050:2a80::)

DHCPとは?IPアドレスを“自動で割り振る仕組み”

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、IPアドレスを自動で割り振ってくれる仕組みです。


パソコンやスマホをWi-Fiにつなぐと、勝手に通信できるようになるのはDHCPのおかげです。


もしこの仕組みがなければ、機器ごとに手動で設定しなければならず、ネットワーク管理が非常に面倒になります。

LANとWANの違いとは?

用語意味
LAN(ローカルエリアネットワーク)限られた範囲で使うネットワーク家・会社・学校など
WAN(ワイドエリアネットワーク)広範囲をつなぐネットワークインターネット全体

例えば、あなたの家の中ではLANで機器がつながり、そこからインターネット(WAN)にアクセスしています。


ここからさらに話が広がって、近年では「クラウド(AWSなど)を使うか」「オンプレミス(自前サーバ)を使うか」という選択肢にも関わってきます。


この違いも、ネットワークの基本を理解していればスムーズに入っていけます。

サーバとクライアントの関係性を理解しよう

サーバ(Server)は「サービスを提供する側」、
クライアント(Client)は「サービスを利用する側」です。


例を挙げると:

  • Webサイトを見る → クライアント(あなたのPC)がWebサーバにアクセス
  • データベースから情報を取る → アプリがDBサーバに問い合わせ

よく登場するサーバの種類も覚えておこう

サーバ名主な役割
WebサーバWebページを配信(例:Apache、Nginx)
DBサーバデータベースを管理(例:MySQL、PostgreSQL)
アプリケーションサーバプログラムの実行や処理を担当(例:Tomcatなど)

この関係性がわかっていると、Webサービス全体の流れやトラブル発生時の原因切り分けもやりやすくなります。

初心者におすすめの学習方法と参考書

ITエンジニアの基礎知識を身につけたいと思っても、「書籍?動画?資格?」と学び方が多すぎて迷ってしまうこともあるはず。


ここでは未経験者でも始めやすく、効果的に学べる方法を3つに分けて紹介します。

① 動画・サイトで“イメージ”からつかむ

最初から分厚い本に手を出すと挫折しがちです。


まずは視覚的にイメージがつかめる動画や学習サイトで、ざっくり理解することから始めましょう。

YouTube → コンピュータやネットワークの基礎がざっくり学べる


ドットインストール → 3分動画でLinuxやネットワーク入門をサクッと学べる


動画はながら見でも理解できるので、通勤中や作業中に活用するのもおすすめです。

② 書籍で“知識を定着”させる

動画で全体像をつかんだら、書籍で体系的に理解を深めるのが効果的です。


とくに以下のような本は、未経験者でも理解しやすい構成になっています。

書名内容の特徴
理解するほどおもしろい! パソコンのしくみがよくわかる本絵や図が多く、イメージしやすい
マスタリングTCP/IP 入門編(第6版)ネットワークの定番入門書。初心者でも読める丁寧さ
[試して理解]Linuxのしくみ ―実験と図解で学ぶOS、仮想マシン、コンテナの基礎知識コマンド操作や構造の基本が視覚的に理解できる

無理に難しい本に手を出さず、1冊をじっくりがポイントです。

③ 資格学習で“網羅的に学ぶ”

資格は、体系的な学習の道しるべとして使うのにぴったり。


未経験者がまず検討すべき資格は以下の2つです。

資格名特徴
ITパスポート試験ITの全体像(コンピュータ・ネットワーク・セキュリティなど)をまんべんなく学べる国家資格。初心者の登竜門
基本情報技術者試験プログラミングやアルゴリズムも含む。やや難しめだが、転職時に評価されやすい

資格を目指す過程で、自然とITの基礎用語や考え方が身につくので、「何を勉強すればいいか分からない人」には特におすすめです。

まとめ:未経験でも基礎があると圧倒的に有利

ITエンジニアを目指すなら、いきなりコードを書く前に、「コンピュータとネットワークの仕組み」をしっかり理解しておくことが大切です。


この基礎知識があるかないかで、

  • プログラミングの理解度
  • トラブル対応の早さ
  • 転職後の現場適応力
    に大きな差が出てきます。

今回紹介した内容は、どれも現場で“当たり前のように使われる知識”ばかり。


動画でざっくりつかむ、書籍で理解を深める、資格で体系的に学ぶ──


自分に合った方法から、ぜひ学びをスタートしてみてください。


「難しそう…」と思ったその瞬間が、伸び始めの合図です。


しっかり“土台”を固めて、自信を持って次のステップに進んでいきましょう。